契約書チェック

「ネット上のひな形を使用して契約書を作成したが、締結してよいか不安」
「とにかく一切の責任は負いたくないので、全て免責される契約書にしたい」
「取引先から渡された契約書だが、一般的な内容のものなのか」

契約書に関する相談のなかで、多いものベスト3です。

このようなとき、当事務所では、契約書の目的について、アドバイスさせていただいています。
契約と似たものに約束がありますが、約束を破ってもペナルティーを課されることはありません。もっとも、契約を破ればペナルティーを課されます。これが約束との違いです。

ここから考えてみると、契約書の目的は、相手方にペナルティー(=責任)を負わせることにあるといえそうです。
つまり、契約書の目的は、①相手方が契約を破ったときにどのような責任を取らせることができるのかを明記し、そのような事態に備えておくこと、②相手方としても、責任が明記されているために契約を守ることへの動機付けが高まること、にあります。
したがって、契約書の作成は、自社が相手方に求める責任の取らせ方や業務の進め方を文章に落とし込んでいく作業であり、その内容は個々の取引ごと、個々の会社ごとに異なってきます。
そのため、「一般的な内容」の契約書を想定したうえで、これに合致しているか否かを判断するという方向性で契約書をチェックしたり、作成したりすべきではありません。
確かに、定型的な取引については、インターネット上で、「ひな型」が広く流通しており、ほとんどの契約については、「ひな型」を若干修正することによって対応可能です。
しかし、その修正の仕方についても、自社が相手方に何を求めるのかという視点から、修正事項を検討する必要があります。
例えば、メーカーと販売店の商品納入に関する契約について、不良品の返品に関する規定が曖昧だと、納品2年後に販売店の意向による大量返品などの事態に陥りかねません。
この場合、①不良品の判断基準、②納品からの期間、③例外的な事態の取扱いを定めた条項を設けておけば、トラブルは未然に防ぐことが可能になります。
また、曖昧な文言の使用を避け、複数の解釈を許さない書き方にしておくことも肝要です。
当事務所においては、ご相談者様から、個々のビジネスの内容を詳しくお聞きしたうえで、絶対に獲得しなければならない条件と、譲歩しても構わない条件を見極め、具体的な条文に落とし込んでいくご提案をしております。
ところで、権利と義務は表裏一体ですから、相手方に責任を求めるということは、自社の責任も認めることを意味することになります。
そのため、大企業であるほど、B to Bの契約書においては、一方的に自社を免責する内容の契約書は使用していません。程度の差はあっても、お互いの責任を認め合い、可能な限りウィン・ウィンの関係を築くことができるような契約書を使用していることが一般的です。
これらのことから、一切の責任を負わないという内容の契約書については、一長一短なところがあり、当事務所においてはビジネスの全体像を検討したうえで、あえて、責任を負うべきであるとご提案することもあります。
経営判断の領域に関わることではありますが、ご依頼者様からは、きちんとした契約書を提示したことによって、かえって、相手方からの信頼を得ることができたという声も多数寄せられています。
当事務所では、ご依頼者様のお立場を最大限に考慮し、最大限に望ましい結果を得られる契約書をご提案しています。
また、交渉状況によっては、取引の相手方との交渉に立ちあわせていただき、最大限のサポートをさせていただいておりますので、ぜひご活用ください。

労働問題 相談無料 まずはご連絡ください。
メールで相談予約