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ストーカー対策強化のための改正ストーカー規制法が成立しました

2016/12/15

法改正のきっかけは、今年5月、東京都で、芸能活動をしていた女子大生が刺された事件でした。
ツイッターなどへの執ような書き込みがストーカー被害の相談として警察に扱われなかったことを受けたものです。

 

ストーカー規制法は、平成11年に埼玉県桶川市で女子大生が殺された事件をきっかけに平成12年に施行され、平成25年には、メールの連続送信を規制の対象に加えるなどの改正が行われましたが、現行法では電話やメールなどの手段を列記しているため、SNSなどは対象外となっていました。
これ以降もストーカー行為による被害が多発・多様化する中で、警察庁において、平成25年11月から有識者会議が開催され、平成26年8月に報告書がまとめられました。
それから2年余りが過ぎた今、この報告書の内容に沿った法改正となりました。
今回の改正では、まず、SNSやブログなどを含む電気通信によるつきまといを広く定義し、また、被害者宅の付近をうろつくような「はいかい」行為も規制対象に含めました。
ストーカー規制法では、つきまとい等の被害に遭っている被害者からの申し出に応じて、まず警察が「警告」を行い、警告に従わなかった場合、公安委員が聴聞等の手続きを経て「禁止命令」を出すことになっています。
まず「警告」を行うのは、自分がつきまとい等の行為をしている自覚がない元配偶者・恋人や知人などの加害者本人に、その自覚を促し、ソフトな解決を図るためとされていますが、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが高いケースがあるのは、最近の事例などでも明らかです。
そこで、被害者保護のためにできるだけ迅速な捜査・取締りが求められていることなどに鑑み、これまでは、起訴するには被害者の告訴が必要でしたが(親告罪規定)、この規定を撤廃することとしました。
さらに、公安委員会による「禁止命令」の手続きを、緊急の場合には簡略化できるようにするほか、罰則の上限も2倍に引き上げられ、ストーカー行為については懲役1年または罰金100万円に、禁止命令に違反してのストーカー行為については懲役2年または罰金200万円となりました。
インターネット上のコミュニケーションが日常的に行われる昨今、10歳代の被害者の増加も懸念されます。まずは不安や苦痛を抱える被害者が声を上げやすい社会でありたいものです。