「法定相続情報証明制度」が5月下旬から開始される予定です
2017/3/30
法務省は3月28日、不動産や預金などの遺産相続の手続きを簡略化する新制度「法定相続情報証明制度」を5月下旬から始めると発表しました。
本制度の目的は、相続登記がなされないまま所有者不明になっている土地や、空き家が増加している昨今、不動産の相続登記を促進することです。
現行制度では、預金や証券、不動産、自動車などの遺産を相続する場合、死亡した被相続人の出生からの戸籍謄本すべてと、全相続人の戸籍謄本を、窓口ごとに揃える必要があります。離れた場所に不動産を複数所有していたり、銀行や証券会社の口座をいくつも開設したりしていると、手間だけでなく発行手数料の負担も大きくなります。
新制度は、相続人の1人が被相続人の氏名や最後の住所と死亡年月日、相続人全員の氏名や続き柄などを記した一覧図を作成し、被相続人の戸籍関係書類や相続人全員の戸籍書類と一緒に法務局に提出すれば、証明書が無料で発行されるというもので、以降はその証明書1枚で足りるようになります。手続きが簡便になるので、相続人の負担軽減に加え、窓口機関の手続きの迅速化も期待されます。
当面は不動産登記手続きで利用可能で、法務省は、所有者不明の土地や空き家の減少にもつなげたい考えのようです。また、他省庁や民間金融機関などに働き掛け、官民いずれの手続きにも使えるようにする方針とのことです。